私たち株式会社ミヤキは、表面処理技術の専門家として、
アルマイト(陽極酸化処理)のさまざまなニーズにお応えしてきました。
特に独自開発の潤滑アルマイト「カシマコート」は、硬質アルマイトに潤滑性を求めるお客様や、
デザイン性を重視されるお客様に、唯一無二のソリューションとして高く評価していただいています。
非常に激しい動きをするモトクロスのサスペンションの摺動性を高めたいといったニーズには、
まさにカシマコートは最適です。
これが典型例ですが、当社の強みを効果的に発揮できる分野として、
これまで自動車・オートバイ・自転車・船外機といった輸送機器の部品を中心に手掛けてきました。
もちろん今後もそれは変わりませんが、いま重要なテーマとして掲げているのは、
自分たちが持っている技術で、新しい市場に積極的に挑戦すること、
プラスアルファの付加価値を生み出していくことです。
たとえばヘルスケアの分野。
「*******に潤滑性がほしい」というニーズに、カシマコートをご提案しています。
あるいはメカトロニクス分野で重要な役割を果たすアクチュエータにもミヤキの技術は活かせますし、
その他、エネルギー(水素関連の燃料電池)、次世代モビリティ(ドローンの部品)、
航空分野など、時代をリードする先端分野への参入を進めています。
表面処理技術の事業者は、自分たちだけで存在することはできません。
新しいクライアント様とのマッチングの機会を得られるように、日頃から情報発信に努めたり、
アンテナの感度を高めたりすることが重要ですし、
産学連携というかたちで、大学と技術提携して研究開発の相互サポートを行ったりもしています。
「これまでの成功体験に安閑として、すぐ近くにある巨大な市場を見落としているのではないか」という危機感を持つくらいで、ちょうど良いと思っています。
私たちが最終的に目指すのは、
「独自の技術で世界中のお客様から必要とされる存在になる」こと。
オートバイ大会のレース会場にブースを出展した時などに実感するのですが、
カシマコートの部品は、海外のユーザーに想像以上に浸透しています。
世界有数の自転車用サスペンションメーカーであるアメリカのFoxracing社さんとのお取引も、
モトクロスのバイクの実績に興味を持っていただいたことがきっかけで、お声がけをいただいたものです。
成長性ということを考えれば、日本国内だけを見るのではなく、海外市場の拡大が欠かせません。
ミヤキはタイに海外拠点を持っていますが、その重要性は今後さらに増していきますね。
お客様から寄せられるご相談には、きわめて短い納期や複雑な形状など、
難易度の高い内容のものもありますが、これらにしっかり対応してきたという実績は、ミヤキの強みです。
一つは「ひと」の力で、経験豊富なベテランの引き出しの多さと、
若いスタッフのフットワークの良さを組み合わせて、課題解決にあたってきました。
もう一つは「技術力」。
専用治具やマスキング型など、全て自社で設計・開発しています。
こうした社内に蓄積されているノウハウを生かさない手はありません。
私はいつも技術部門の社員に、「独自の技術といっても、ゼロから開発するとは限らない。
まずは今、自分たちが持っている技術を足し算したり引き算したりして、
新しいものを作ることから始めよう」と呼びかけています。